賃料の支払いが滞っている、勝手に又貸しされているなど一定の事情がある場合には、裁判所に対し建物明渡請求訴訟を提起することで、法の手続きに則って建物の明渡しを実現可能です。
司法書士法人リーガル・ソリューションでは、賃貸管理会社、家賃保証会社と顧問契約を締結し、たくさんの建物明渡しの手続きを解決してきました。
家賃の滞納は習慣化するので、早めに法的手続きを検討しましょう。
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建物明渡請求訴訟(たてものあけわたしせいきゅうそしょう)とは、家賃滞納や契約違反により賃貸借契約や使用貸借契約が解除された場合において、貸主が裁判所に対し、建物明渡請求権の存否を確定してもらう裁判手続きのことを言います。
原告の建物明渡請求権が裁判所で認められた後に、強制執行を申してることによって、国の協力(執行官)を得て、立ち退きを強制することが可能になります。
日本は法治国家であり、自力救済の禁止といって、法が定めた手続きを踏まずに自らの力で立ち退きを実現することを禁止しています。
そのため、家賃の支払いが滞り賃貸借契約が解除されたからといって、裁判手続きを経ずに部屋内の荷物を勝手に持ち出すといったことは出来ません。
昨今は賃貸借契約の連帯保証人として、家賃保証会社を利用することが条件となっていることも少なくありません。
この場合、家賃保証会社はオーナーへの代位弁済に伴い発生した求償債権の存否を確定するため、原告として当事者となります。
建物明渡請求訴訟を提起するケースは、親族等の特殊な関係にあるもの同士の使用貸借契約(無償で貸渡す)ではなく、賃貸借契約の家賃滞納による場合がほとんどですので、家賃滞納の場合の要件を以下で解説します。
建物明渡請求訴訟の訴訟物は、賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての建物明渡請求権1個です。
訴訟物とは一般的に、原告が裁判所に対してその存否を求める法律上の権利、法律関係のことを言います。
建物明渡請求訴訟の場合には、原告が被告に対して、建物明渡請求権という目に見えない権利があるかどうかを、証拠や立証活動を通じて、裁判所に判断してもらいます。
なお、家賃滞納による建物明渡請求訴訟の場合には、同時に下記訴訟物を附帯請求として一緒に裁判所に判断してもらうことが一般的です。
なお、前述した家賃保証会社が当事者となる場合には、求償債権は保証委託契約に基づく事務処理費用償還請求権が訴訟物となります。
賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての建物明渡請求権の要件事実は、下記の通りです。
・貸主と借主が賃貸借契約を締結したこと
・貸主が借主に対し、賃貸借契約に基づいて建物を引き渡したこと
・賃貸借契約の終了原因となる具体的事実(賃料の未払等)
そもそも要件事実とは、一般的に、請求権が発生するための法律要件を具体的な事実に落とし込んだものを言います。
上記の例では、当事者が賃貸借契約書に署名押印し、鍵と共に建物を引き渡し、賃料未払いに伴い賃貸借契約が解除されることによって、『建物明渡請求権』という権利が貸主に対し発生します。
この建物明渡請求権という目に見えない権利があるかどうかは裁判官にはわからないため、建物明渡請求権が発生するための要件をそれぞれ証拠や当事者の証言をもとに主張立証することで、裁判官は『貸主に建物明渡請求権があるだろう』と判断します。
一般的な賃貸借契約の約定の場合、家賃滞納による賃貸借契約の終了原因となる具体的事実は下記の通りです。
賃貸借契約の解除が認められる一定期間は、一律に決まっているわけではありませんが、一般的に賃料の支払いを3か月滞納した場合には、賃貸借契約の解除が認められます。
家賃滞納に基づく建物明渡請求訴訟を提起する場合の一般的な必要書類は下記の通りです。
・賃貸借契約書
・連帯保証人引受承諾書、保証契約書(連帯保証人がいる場合)
・印鑑証明書(連帯保証人がいる場合)
・保証委託契約書(家賃保証会社の求償債権を訴訟物とする場合)
・解除通知書(賃貸借契約を解除したことがわかるもの)
・配達証明書
・建物の全部事項証明書(登記簿謄本、訴訟提起から3か月以内のもの)
・直近年度の建物の固定資産評価証明書(訴訟提起から3か月以内のもの)
・履歴事項全部証明書(訴訟の当事者が法人の場合、訴訟提起から3か月以内のもの)
判決言い渡しまでの期間は、訴状提出日から概ね2.5か月程度です。
借主に対し、停止条件付の解除通知を配達証明書付きの内容証明郵便にて発送します。
家賃滞納をする借主は、色々なところから督促が来ていることが多く、解除通知を受け取らないことが多々あるため、同様の文書を特定記録郵便でも郵送します。
また前述の通り、通常は催告をしたことと解除したこと、それぞれを立証する必要があります。
そのため本来であれば、催告と解除の意思表示をそれぞれしたことがわかる書類が必要ですが、実務上は催告と解除の意思表示を兼ねた停止条件付解除通知書を発送し、催告書と解除通知を一つにまとめることが一般的です。
催告と解除までの期間は一週間あれば賃貸借契約の解除が認められます。
解除通知の到着日から所定の期間が経過すると賃貸借契約が解除されます。
賃貸借契約が解除されると建物の占有者は占有権原がなくなるため、借主ではなく不法占有者となります。
訴訟提起の前提として、建物の占有者が訴訟係属中に第三者に占有権原を移転する(勝手にまた貸ししたり、住まわせる場合等)恐れがある場合には、占有移転禁止の仮処分を申立てることが一般的です。
占有移転禁止の仮処分を申し立てることによって当事者恒定効が発生し、訴訟係属中に被告以外の第三者に占有が移転した場合であっても、再度その占有者に対し訴訟提起することなく強制執行が出来るようになります。
もっとも占有移転禁止の仮処分の申立てには予納金等が必要になるため、この申立てをするか否かは、相手方が占有を移転する恐れの有無で判断します。
一般的には、申立てをしなくても問題のないケースが大半です。
訴訟の提起に際し管轄裁判所に対して、下記書類を持参若しくは郵送にて提出します。
・訴状(正本、副本)
・証拠説明書(正本、副本)
・証拠書類の写し(裁判所分と被告の人数分)
・建物の全部事項証明書
・建物の固定資産評価証明書
・履歴事項全部証明書
・訴訟委任状(司法書士等へ訴訟を委任する場合)
管轄裁判所は、下記の通りです。
・不動産の所在地を管轄する裁判所
・債権者の現時の住所(一般的に貸主の住所)
なお東京簡易裁判所に限っては、事件処理が滞留しており、全て問題なくスムーズにいっても訴状提出から判決まで平均4か月程度かかります。
そのため東京以外にも管轄がある場合には、弁論終結までの期間が倍近く変わるため、少しでも早く債務名義を取得したい場合には、東京簡易裁判所以外の簡易裁判所に訴え提起することを推奨します。
裁判所に訴状が受理されると、一定期間経過後、裁判所から第1回口頭弁論期日の調整の連絡が原告に対してあります。
並行して裁判所書記官が相手方である被告へ訴状等の書類を郵送します。
これを送達といい、被告が訴状等を受け取ることによって訴訟が係属します。
訴訟係属とは、法律上訴状を受け取ったことにより、裁判所の審判中となることを言います。
なお、家賃滞納による建物明渡請求訴訟の場合には、最後の砦である家賃を滞納するくらいなので、被告が裁判所からの書類を受け取らないことも少なくありません。
通常の送達と休日送達を実施しても被告が訴状等を受け取らない場合には、一般的に下記2つの方法により送達を実施します。
・書留郵便に付する送達(付郵便送達)
・公示送達
書留郵便に付する送達とは、裁判所書記官が書留郵便で書類を発送したときに受け取ったかどうかに関わらず、訴訟係属したこととする制度です。
この書留郵便に付する送達を実施するには、原告側で被告の住所や居所の調査が必要であり、被告の住民票を取得した上で現地調査を実施し、被告が間違いなく所定の場所に住んでいることの調査報告書を上申書とともに提出する必要があります。
公示送達とは、被告の住所、居所、就業場所が調査を尽くしても不明な場合に、2週間裁判所の掲示盤で掲げることによって2週間経過後に被告へ送達が完了したことにする制度です。
一般的に、書留郵便に付する送達と同様に住民票を取得して、現地調査等をしたうえでそれでもなお居所等が不明である旨を記載した調査報告書を作成し、裁判所に対し上申することで公示送達が実施されます。(訴状の送達の場合は職権で行われることはまずありません)
送達が完了し訴訟が係属すると、被告が第1回口頭弁輪期日前若しくは当日に、答弁書を送付若しくは持参してくることがあります。
答弁書とは、一般的に原告の請求原因事実に対する認否を記載した書面です。
家賃滞納による建物明渡請求訴訟の場合、被告が司法書士等の専門家に訴訟手続きを依頼することはまずありません。
家賃滞納をする人は、専門家への相談料や着手金を支払うこともままならないためです。
そのため通常は被告の本人訴訟となり、答弁書に訴訟とは関係のない主張を記載してくることが多々あります。
しかし、通常は証拠等により賃貸借契約を締結した事実、引き渡しをした事実、賃貸借契約を解除した事実が裁判所にとって明らかであるため、第1回の口頭弁論期日で弁論終結することがほとんどです。
仮に第1回口頭弁論期日に被告が出廷してきた場合には、裁判所から和解を提案され、相手方の協力の程度、支払い能力によっては和解とすることも事案によってはあります。
弁論終結し、判決が言い渡されると、原則として建物の強制執行の申立てをすることが可能になります。
ただし、判決に仮執行宣言が付されていない場合には、判決が確定するまでは強制執行をすることが出来ません。
相手方が上訴(控訴、上告)してくる可能性があるためです。
強制執行の申立てをするには、判決書が被告へ送達されたことを証明するため送達証明書が必要です。
なお仮執行宣言が付されていない場合には、判決が確定したことを証明するため、送達証明書の他に確定証明書も必要です。
また強制執行申立ての前提として、判決書や和解調書等の債務名義に執行文付与申請も必要になります。
執行文付与申請等が終わったら、不動産の所在地を管轄する地方裁判所に対し、強制執行の申立てを郵送若しくは持参して行います。
申立てには執行官への予納金を納付する必要があります。
予納金は地方裁判所によって異なりますが、関東圏では下記の通りです。
都道府県 | 予納金額 |
東京都 | 65,000円 |
千葉県 | 70,000円 |
神奈川県 | 80,000円 |
埼玉県 | 60,000円 |
予納金は事件終了後、通常は余剰が出るため、申立人が指定した口座に還付されます。
強制執行の申立書を直接提出すると、その場で納付書が貰えますので、その足で裁判所の出納課で予納金を納付します。
そのため、強制執行の申立ては直接持参して行うのがスムーズです。
強制執行の申立ての際の必要書類は下記の通りです。
・強制執行申立書
・執行文付の債務名義
・送達証明書
・確定証明書(仮執行宣言が付されていない場合)
・債務者に関する調査票
・地図
・物件目録
・当事者目録
強制執行の申立ての流れは下記の通りです。
1 強制執行申立て、予納金の納付
2 執行官面接
3 催告日
4 断行日
なお、2の執行官面接は東京地方裁判所限定のローカルルールです。
以前は、執行官と面接するために申立人若しくは代理人が東京地方裁判所に出向く必要がありましたが、感染症拡大の影響により電話で打ち合わせするだけでよくなりました。
そのため東京地方裁判所以外は、2の執行官面接は不要で申立ての後に催告日を迎えます。
催告日は、一般的に強制執行申立日から1週間から2週間以内の日に設定されることが多いです。
催告日には、執行官、執行官手配の立会人、執行補助者、債権者若しくは債権者代理人、鍵を変更している恐れがある場合には鍵開錠業者が立会います。
催告日に占有者に対し呼びかけをし、自主的に鍵を開けない場合には鍵解錠業者が解錠し、部屋内に断行日を記載した公示書を掲げ、催告終了となります。
占有者がいる場合には、執行官が占有者に対し状況を説明し、債権者or債権者代理人と話し合うよう説得してくれることが一般的です。
催告日で決まった断行日に再度、執行官、立会い人、執行補助者、鍵開錠業者、債権者若しくは債権者代理人立会いのもと、強制執行を行います。
断行日は占有者がいる場合といない場合で異なりますが、占有者がいる場合は催告日から1ヵ月後になることが多いです。
催告日に占有者がいない場合であって残置物が少ない場合には、即日断行となることもあります。
断行日に占有者が抵抗する恐れがある場合には、警察官が立会いします。
執行官は国家公務員ですので、少しでも業務の妨害をしたら公務執行妨害で現行犯逮捕となります。
執行官の指示のもと、執行補助者が建物内の荷物を全てトラックに運び出し、部屋内を空っぽにしたあと、立会人に署名をもらい断行は完了です。
断行までにかかる費用の目安は下記の通りです。
催告日 | 断行日(強制執行日) | |
執行補助者 | 25,000円 | 20万円~30万円(1Rで荷物がたくさんある場合) |
鍵開錠業者 | 25,000円 | 25,000円 |
強制執行に伴い支出した費用は全て申立人の費用負担となります。
ただし、執行費用額確定処分を申し立てることによって断行までに支出した費用を債務名義とすることが可能です。
そのため、回収が見込める相手方であれば取得すべきですが、家賃滞納をする占有者に責任財産はほとんどないため、実務的には申立人が全て負担することになります。
・登記情報閲覧
・固定資産評価証明書取得
・不動産登記簿謄本取得
・会社謄本取得(当事者が法人の場合)
・解除条件付催告書作成、郵送
・電子内容証明郵便郵送
・訴状起案、提出
・現地調査
・付郵便送達の上申書提出、調査報告書作成
・公示送達申立て
・被告住民票取得
・期日出廷
・送達証明申請
・確定証明申請
・執行文付与申請
※消費税込の金額です。
※実費代として1事件につき2万円を申し受けます。
※委任契約締結時半金、明渡完了後半金及び実費をお支払いいただきます。
※顧問契約を締結された方は、明渡し保証プランそれぞれ半額の報酬にて承ります。
※簡易裁判所の管轄外の場合には本人訴訟サポートとなります。
※2024年8月12日報酬改定