信託
信託とは、自分の財産の運用を他の人に任せて、収益をあげてもらうことです。
例えば、土地や建物を所有しているけれども、その使い道がわからない場合や、どのように利用すれば収益をあげられるのか分からない
そのような場合に、その道に詳しい人に土地や建物の運用を任せて、代わりに収益を上げてもらうことです。
この時、運用を任せる際に実体法上の所有権は、運用を任せる人(委託者という)から運用を任せられた人(受託者という)に対して移転します。
単に所有権移転登記だけすると、あたかもその財産は運用を任せられた人の固有の財産に見えてしまいます。
なので、所有権の帰属はあくまで信託によるものであることを公示するために、「信託の登記」が必要となります。
例えば、委託者が高齢の不動産オーナーの父である場合に、高齢で管理するのは難しいから信頼のおける息子に不動産を信託して、その信託財産から受ける利益を孫にするといった場合です。
登場人物
委託者
委託者とは、財産を受託者(運用を任せられる人)に移転し、信託目的に従い受益者のために受託者にその財産(信託財産)の管理・処分などをさせる者をいいます。
委託者と受益者が同一人物ということは多々あります。
委託者と受益者が同一人物である場合のことを「自益信託」といいます。
受託者
受託者とは、委託者から信託財産の移転を受け、信託目的に従って受益者のために信託財産の管理・処分などをする者をいいます。
信託銀行がその例です。
受益者
受益者とは、受託者から信託行為に基づいて信託利益の給付を受ける権利と、このような権利を確保するために受託者に対して帳簿閲覧請求や信託違反行為の差し止め請求などをする権利を有するものをいいます。
委託者兼受益者であれば、自身が信託した財産から信託行為に基づいた利益を享受します。
信託管理人
信託管理人は、受益者が現に存しない場合のみ、指定することができます。
受益者がいない場合とは例えばまだ生まれてきていない子供を受益者とするような場合や、受益者の定めのない信託の場合等です。
受益者代理人
受益者が現に存する場合に、受益者の全部又は一部の代理人を指定することができます。
なぜこのような代理人を選任するかというと、受益者が不特定多数に及ぶような信託では、受益者代理人が信託事務の円滑な処理に資することになるからです。
不特定多数というのは、例えば受益権を証券化している場合であって、無記名の証券が転々とするような場合です。
信託行為の種類
信託を成立させる法律行為を信託行為といいます。以下が信託行為の種類になります。
信託契約
委託者と受託者が、信託目的に従い財産を委託者から受託者に移転し、受託者が、受益者のために財産の管理や処分をする契約です。
遺言信託
遺言の方式による信託の設定です。通常は遺言執行者が選任されます。
遺言の方式は、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言どれでも問題ないですが、
遺言の効力発生時には、委託者が存在しないため、公正証書遺言によるのが望ましいです。
自己信託
委託者が信託財産に属する財産の管理・処分等を自らが受託者として行うことを書面に記載するなどしてする方法です。
この書面に記載するなどしてとは
・公正証書
・公証人に認証を受けた書面等
・確定日付のある証書
でする必要があります。
信託による登記
委託者から受託者に信託財産を移転する場合には、通常とは異なる登記が必要になります。
また信託の登記については信託目録に記録すべき情報を提供しなければなりません。
信託受益権の売買があった場合も登記が必要になります。
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